光熱費シミュレーションは信頼できる?展示場で確認すべきポイント
マイホームの購入を検討する際、住宅展示場を訪れる方は多いでしょう。そこで営業担当者から提案されるのが、「光熱費シミュレーション」です。
「この家なら、光熱費がこんなに安くなりますよ!」
そう言われると、とても魅力的に聞こえますよね。しかし、このシミュレーション結果、本当に信頼できるのでしょうか?結論から言うと、シミュレーションはあくまで目安であり、鵜呑みにするのは危険です。
この記事では、住宅展示場で提示される光熱費シミュレーションの信頼度と、あなたが本当に確認すべきポイントを解説します。
1. なぜ光熱費シミュレーションは鵜呑みにできないのか
シミュレーションが実際の光熱費と大きく異なる理由は、以下の3つです。
前提条件が現実的ではない:
シミュレーションは、特定の前提条件(例:1日の在宅時間、家族構成、エアコンの使用時間など)に基づいて計算されます。しかし、あなたの家庭のライフスタイルは、シミュレーションの前提と完全に一致するわけではありません。
住宅性能以外の要素が考慮されていない:
光熱費は、建物の断熱性能や高効率な設備だけでなく、家族の生活習慣に大きく左右されます。
実際には、電力会社との契約プラン、家電製品の種類、そして住んでいる地域の気候も大きな影響を与えます。
特定のメーカーの都合の良いデータが使われている:
営業担当者が提示するシミュレーションは、自社が採用している断熱材や設備が最も優れているように見えるデータを使っていることがあります。
2. 光熱費シミュレーションを「参考」にするための3つのポイント
シミュレーションを完全に無視する必要はありません。以下のポイントを押さえて、賢く活用しましょう。
ポイント1:シミュレーションの「前提条件」を徹底的に確認する
「どのような前提で計算されていますか?」と質問してみましょう。
家族構成、生活時間帯、日中の在宅人数、設定温度など、具体的な条件を尋ねることで、現実との差を把握できます。
ポイント2:複数のシミュレーションを比較する
複数のハウスメーカーや工務店を訪れ、それぞれのシミュレーションを比較してみましょう。
シミュレーションの方法や前提条件が異なるため、単純な数字の比較ではなく、「なぜこの数字になるのか」という根拠をしっかりと確認することが大切です。
ポイント3:住宅の「基本性能」を具体的に確認する
シミュレーションの数字に惑わされず、建物の基本的な性能を具体的に確認しましょう。
Ua値(ユーエーち): 住宅の断熱性能を表す数値です。この数値が小さいほど、断熱性能が高いことを示します。
C値(シーち): 住宅の気密性能を表す数値です。この数値が小さいほど、隙間が少なく、気密性が高いことを示します。
まとめ
住宅展示場で提示される光熱費シミュレーションは、あくまでも**「理論上の目安」**です。
前提条件があなたのライフスタイルに合っているか
複数のシミュレーションを比較できるか
Ua値やC値といった建物の基本性能が明確か
これらのポイントを確認することで、シミュレーションに惑わされることなく、本当に光熱費を抑えられる家づくりができるでしょう。