【完全版】立会い出産でのカメラ・スマホ撮影ルールとマナー


立会い出産は、家族にとって感動的でかけがえのない瞬間ですが、そこは命を扱う**「医療現場」です。一歩間違えると、プライバシー侵害医療行為の妨げ**につながる可能性があります。

赤ちゃんや妊婦さん、そして医療スタッフを守り、安全な出産環境を維持するため、ほとんどの病院では厳格な撮影ルールが定められています。

ここでは、立会い出産でカメラやスマートフォンを使用する際に守るべき「撮影のルール」と「マナー」を徹底解説します。


1. 撮影前の「必須ルール」:事前に必ず確認すること

感動的な瞬間をカメラに残したい気持ちは分かりますが、まずは病院のルールを最優先してください。

ルール①:病院の撮影許可と禁止範囲の確認

分娩室での撮影ルールは、病院によって大きく異なります。

  • 撮影の可否: そもそも立会い出産自体が許可されていない、または立会いは許可されても分娩室での撮影は一切禁止という病院も多くあります。事前に産院に問い合わせて確認しましょう。

  • 撮影禁止エリア: 許可されていても、分娩が始まる前後や、特定の医療処置中は撮影が禁止されることがほとんどです。

  • 動画撮影の制限: 写真は許可されても、動画撮影は不可としている病院も多くあります。音の問題や、医療行為の記録・流出を防ぐためです。

ルール②:撮影機器の確認とフラッシュの禁止

  • カメラの設定: 許可を得た場合でも、シャッター音や操作音は必ずOFFにしておきましょう。静かな分娩室では、わずかな音でも妊婦さんの集中を妨げる原因になります。

  • フラッシュ撮影は厳禁: 出生直後の新生児の目に強い光を当てるのは危険です。また、医療スタッフの視界を遮る可能性もあるため、フラッシュ撮影は基本的に禁止と考えましょう。


2. 分娩室での「撮影対象」ルール:何が撮れて、何が撮れないのか?

プライバシー保護の観点から、特に**「人」**を撮る際には細心の注意が必要です。

禁止される撮影対象

  1. 医療スタッフの顔・特定できる姿: 助産師、医師、看護師など、医療スタッフの顔や名前、姿が特定できる写真・動画は、プライバシー保護のため無断で撮影することは厳禁です。

  2. 医療行為・処置の様子: 分娩に関わる**医療的な処置(会陰切開、吸引、縫合など)**や、血液・体液などが写り込む写真は、妊婦さんのプライバシーや倫理的な観点から撮影を控えるべきです。

  3. 無断での動画撮影: 許可された場合を除き、医療スタッフの会話や処置の様子が記録されてしまうため、無断で動画を回し続けるのはマナー違反です。

許可されることが多い撮影対象

  • 赤ちゃんのみのアップ: 出生直後の赤ちゃんの顔や足など。

  • 家族の記念写真: 処置が終わり、落ち着いた後の母子の姿や、家族3人の記念写真など。

撮影する際は、「どの瞬間までを撮るのか」を事前にパートナーと話し合い、病院のスタッフに確認を取りながら行いましょう。


3. トラブルを避ける「撮影時のマナー」と心得

撮影に夢中になるあまり、最も大切な**「妊婦さんのサポート」**がおろそかにならないように注意が必要です。

マナー①:カメラ・スマホはすぐにしまえる場所に

  • サポートが最優先: 陣痛中は、体をさすったり、声をかけたりと、妊婦さんを精神的・身体的にサポートすることが、立会いパートナーの最優先事項です。カメラやスマホは、すぐに手の届く場所に置いておくか、ポケットにしまっておくなどして、すぐにサポートに戻れるようにしましょう。

  • 邪魔にならない: 医療スタッフが処置や指示をしている際に、カメラを構えて邪魔をしないよう、常に周りの状況に目を配ってください。

マナー②:SNSなどでの公開ルール

病院や許可を得た場合であっても、公開には細心の注意が必要です。

  • 無断公開は絶対にしない: 妊婦さんや赤ちゃんの姿、そして背景に写り込んだ医療機器や病院名が特定できる情報を、パートナーの許可なくSNSやインターネット上に公開することは厳禁です。

  • 背景情報の確認: 赤ちゃんや妊婦さんだけを撮影した写真でも、背景に他の入院患者さんの私物や、個人情報が写り込んでいないかを必ずチェックしましょう。

立会いは、あくまでも妊婦さんの分娩という大仕事を支えるためにあります。この大切な時間を、ルールとマナーを守って安全に、そして心から感動を分かち合えるものにしてくださいね。