立会い出産で知っておきたい医療用語|安心してサポートするための基礎知識
出産という人生の一大イベントに「立ち会う」というのは、パートナーにとっても大きな経験です。
しかし、分娩室で飛び交う医療用語が分からないと、不安や緊張が高まってしまうこともあります。
この記事では、立会い出産をより安心して迎えるために知っておきたい医療用語を、わかりやすく解説します。
初めて出産に立ち会うパパや家族も、これを読めば落ち着いてサポートできるはずです。
■ 立会い出産とは
立会い出産とは、夫やパートナー、家族などが出産に同席することを指します。
最近では、出産を夫婦で体験することで絆が深まるという理由から、多くの病院で推奨されています。
ただし、分娩室では医療スタッフが専門的な言葉でやり取りをするため、意味が分からないと不安になることも。
あらかじめ基本的な医療用語を知っておくことで、出産当日も落ち着いて行動できるようになります。
■ 分娩に関する基本的な医療用語
● 陣痛(じんつう)
子宮が収縮して、赤ちゃんを押し出すための痛みです。
一定間隔で強くなっていき、分娩が進むサインとなります。
「本陣痛」は出産が近い証拠、「前駆陣痛」は準備段階です。
● 子宮口(しきゅうこう)
赤ちゃんが通るために開く入口のこと。
医師や助産師が「子宮口○cm開いてますね」と言うのは、出産の進行度を伝えているサインです。
10cmが「全開大」で、いよいよいきむ段階に入ります。
● 破水(はすい)
赤ちゃんを包む膜が破れて羊水が流れ出ること。
破水が起きたら感染防止のために、すぐに病院に連絡しましょう。
立ち会い時は、タオルなどを準備してサポートするのも大切です。
● いきみ
赤ちゃんを押し出すために力を入れること。
陣痛のタイミングに合わせて行われます。
助産師の「いきんでください」「いきむのを我慢してね」という指示があるので、それに従いましょう。
■ 医療スタッフが使うよくある用語
● NST(ノンストレステスト)
赤ちゃんの心拍数と陣痛の強さを測定する検査。
立会い出産の前や入院中に行うことが多く、モニターに線が出ているのがこの検査です。
● 分娩第1期・第2期・第3期
出産は3段階に分かれます。
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第1期:陣痛が始まり、子宮口が全開になるまで
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第2期:赤ちゃんが生まれるまで
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第3期:胎盤が出るまで
それぞれで医療スタッフの声かけが変わるので、理解しておくと安心です。
● 胎盤(たいばん)
お母さんと赤ちゃんをつなぐ大切な器官。
出産後に自然に排出されます。
「胎盤が出ました」と言われたら、分娩がすべて完了した合図です。
● 会陰(えいん)
膣と肛門の間の部分。
出産時に赤ちゃんが通る際、皮膚が伸びて裂けることがあります。
必要に応じて「会陰切開(えいんせっかい)」を行い、出産後に縫合されます。
● 吸引分娩(きゅういんぶんべん)
赤ちゃんの頭に吸盤をつけて、医師が軽く引っ張ることで出産を助ける方法です。
分娩が長引いたり、赤ちゃんが疲れているときに行われます。
■ 麻酔や処置に関する用語
● 無痛分娩(むつうぶんべん)・硬膜外麻酔
痛みを和らげるために、背中に麻酔を入れて陣痛の痛みを軽減する方法です。
完全に痛みがゼロではありませんが、精神的にも体力的にも余裕が生まれます。
● 陣痛促進剤(じんつうそくしんざい)
陣痛が弱いときや、出産が長引く場合に使われる薬。
点滴や注射で投与され、分娩をスムーズに進めます。
● モニタリング
赤ちゃんの心拍やお母さんの状態を、機械で常にチェックすること。
「モニターがつながってます」と言われたら、これを指します。
■ 立会い時に覚えておきたい声かけ・対応
立会い出産では、パートナーの冷静なサポートが何よりの支えになります。
そのためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。
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医療スタッフの指示をよく聞く
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不安を感じてもパニックにならず、静かにサポート
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「頑張ってるね」「もう少しだよ」など、前向きな言葉をかける
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手を握る、背中をさするなど、スキンシップで安心感を与える
医療用語の意味を理解していれば、状況を把握しながら落ち着いて行動でき、パートナーの支えになります。
■ まとめ|知識が「安心」に変わる立会い出産
立会い出産は、ただ見守るだけでなく、共に出産を乗り越える体験です。
医療用語を知っておくことで、焦らず落ち着いた対応ができ、より深い感動を共有できます。
出産は奇跡の瞬間。
パートナーとしてのサポートを通じて、家族の絆を一層強める時間にしましょう。