【立会い出産で父親が感じること】出産時に起こる父親の感情の変化とその意味
出産の瞬間――それは母親だけでなく、父親にとっても人生が変わる特別な時間です。
「立会い出産をしたけど、あのとき自分の中で何かが変わった気がする」
そんな声を多くの男性が口にします。
この記事では、出産時に起こる父親の感情の変化を心理学・体験談・夫婦関係の視点から詳しく解説します。
これから立会い出産を考えているご夫婦にも役立つ内容です。
■ 立会い出産とは?父親にとっての意味
立会い出産とは、出産の場に父親(またはパートナー)が一緒に居合わせ、母親を支える出産方法です。
日本でもこの数年で一般的になり、多くの病院で希望すれば可能になっています。
父親にとって立会い出産は、
「我が子が生まれる瞬間を見届ける」
「妻を支えながら家族の一体感を感じる」
という特別な意味を持ちます。
しかし同時に、感情の変化や戸惑いを感じることも多く、
その心理的な動きにはいくつかの段階があるのです。
■ 出産時に起こる父親の感情の変化ステップ
① 不安と緊張:何をすればいいかわからない
分娩室に入る直前、多くの男性が最初に感じるのは「不安」です。
「自分に何ができるんだろう」「倒れたらどうしよう」といった緊張感が生まれます。
特に初めての出産では、未知の状況への戸惑いが大きく、
「妻を支えたい」という気持ちと「怖い」という気持ちが同時に存在します。
💬ある男性の声
「陣痛のたびに妻が苦しむ姿を見て、何もできない自分が情けなかった」
この段階では、**“無力感”**を感じる人も少なくありません。
② 驚きと感動:生命の神秘に立ち会う瞬間
出産が進むにつれ、痛みと闘う妻の姿、助産師や医師の動き、
そして赤ちゃんの産声――その瞬間に多くの父親が言葉にできない感動を覚えます。
「生まれた瞬間、涙が止まらなかった」
「あの小さな命を見た瞬間、人生観が変わった」
この経験を通して、男性の中には「守りたい」「支えたい」という父性の目覚めが訪れます。
心理学的にも、この瞬間は**「父性の確立」**が始まる重要なタイミングとされています。
③ 安堵と感謝:妻への尊敬が深まる
無事に赤ちゃんの産声を聞いた瞬間、張りつめていた緊張が解け、
「ほっとした」「ありがとう」という安堵感と感謝の気持ちが溢れ出します。
出産を間近で見たことで、
「妻の強さに圧倒された」
「命を産むってこんなに大変なんだ」
と、母親への尊敬の念を強く感じる父親が多いのです。
この感情が、夫婦関係をより深く結びつける大きな要素になります。
④ 父親としての自覚:責任感の芽生え
赤ちゃんを抱いた瞬間、父親の中で静かに芽生えるのが**「守る責任」**という感情です。
「小さな手を見て“この子を守ろう”と思った」
「これからは家族のために頑張らなきゃと思えた」
こうした感情の変化は、
「父性ホルモン」と呼ばれるオキシトシンやプロラクチンの増加によっても説明されています。
つまり、立会い出産は**生物学的にも“父性を育てる瞬間”**なのです。
■ 出産後に変わる父親の意識と夫婦関係
立会い出産を経験した男性の多くは、出産後に次のような変化を感じます。
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育児や家事に積極的になる
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妻との絆や信頼感が深まる
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仕事に対する目的意識が変わる(「家族のために働く」)
一方で、出産後に「何もできなかった自分を責めてしまう」男性もいます。
そんなときは、「そばにいてくれたこと」自体が大きな支えだったと妻から伝えることが、
父親としての自信を育てる助けになります。
■ 立会い出産を控える父親へのアドバイス
これから立会い出産を迎える方に、心構えを3つお伝えします。
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完璧を目指さないこと
サポートの正解は一つではありません。「そばにいること」が一番の支えです。 -
事前に知識を得ること
出産の流れや呼吸法を理解しておくと、安心して寄り添えます。 -
感情をそのまま受け止めること
不安・驚き・涙、どれも自然な反応です。無理に抑え込む必要はありません。
■ 感情の変化は「父親になる準備」
出産は、母親にとっても父親にとっても「新しい人生のスタート」。
立会い出産で感じる感情の波は、父親としての第一歩でもあります。
感動や戸惑い、不安や涙――それらすべてが「家族になる」ための大切なプロセス。
夫婦でその瞬間を共有することで、絆はより深まり、信頼が強くなるのです。
まとめ
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父親は出産時に「不安 → 感動 → 感謝 → 父性の自覚」という感情の変化を経験する
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立会い出産は夫婦の絆を深め、父性を育てる貴重な機会
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感情の揺れは自然なものであり、成長の証