📸 立会い出産:病院のルールに沿った撮影方法とマナー
立会い出産で、感動的な我が子の誕生の瞬間を記録したいと考えるのは自然なことです。しかし、分娩室は医療行為の場であり、妊婦さんの安全とプライバシーが最優先されます。
そのため、ほとんどの病院で撮影に関する厳しいルールが設けられています。事前に病院のルールを確認し、医療スタッフの指示を最優先することが、スムーズで感動的な立ち会い出産を実現するための鍵となります。
以下に、一般的な病院のルールに基づいた撮影方法とマナーを解説します。
1. 【最重要】撮影を始める前の確認事項
必ず、事前に、または分娩室に入る直前に**担当の医療スタッフ(医師・助産師)**に確認してください。
| 確認事項 | 一般的なルール |
| 撮影許可 | 写真撮影は許可されることが多いですが、動画撮影(録画)は禁止または分娩後のみ許可という病院が多いです。 |
| 撮影のタイミング | 分娩の体勢に入ってからや、重要な医療処置中は撮影禁止となることがほとんどです。**「赤ちゃんが生まれた瞬間だけ」**など、具体的なタイミングを指示される場合があります。 |
| 撮影位置 | 医療スタッフの邪魔にならないよう、**「産婦さんの頭側からのみ」**と指定されることが一般的です。 |
| SNSへの投稿 | 撮影した写真や動画をSNSに投稿することは、厳禁または医療スタッフの顔にモザイクをかけるなどの配慮が必要とされます。 |
【🔑 事前の準備】
バースプランに、撮影の希望を具体的に記載し、事前に夫婦で話し合っておきましょう。
分娩中は、助産師さんの指示(「今なら撮れますよ」「一旦カメラを置いてサポートしてください」など)に必ず従ってください。
2. 撮影マナー:医療現場で守るべき配慮
撮影中は、医療行為の妨げにならないこと、そして産婦さんの気持ちを最優先にすることが最も重要です。
① 立ち位置の厳守
足元側(下半身側)は絶対にNG:分娩体勢の足元側は、医師や助産師が介助を行う**「清潔区域」**です。ここに入ったり、カメラを向けたりすることは、医療行為の妨げになり、最も失礼な行為とされます。
常に産婦さんの頭側:指示がない限り、産婦さんの頭の横に立って(または座って)サポートに集中し、カメラはそこから上半身や赤ちゃんの顔に向けてください。
② 撮影対象の配慮
医療スタッフを映さない:他の患者様のプライバシー保護に加え、医療スタッフの顔や手元が映り込まないように細心の注意を払ってください。
産婦さんへの許可:陣痛中に集中している産婦さんに、いきなりカメラを向けるのは避けましょう。「写真、撮ってもいい?」と事前に許可を得ておくか、出産直後の**「頑張った表情」や「赤ちゃんと対面した瞬間」**など、感動的なシーンに限定しましょう。
③ 機材の使用上の注意
フラッシュは原則禁止:新生児の目に強い刺激を与えないよう、フラッシュ撮影は禁止されている病院がほとんどです。
機内モード:スマートフォンやタブレットで撮影する場合、医療機器への影響を避けるため、必ず**「機内モード」**に設定してください。
カメラ操作は素早く:カメラの設定や操作に夢中になり、産婦さんのサポートがおろそかにならないようにしましょう。
3. おすすめの撮影タイミングと記録のポイント
記録を残しつつ、立会い出産の本分である**「サポート」**に集中するためのポイントです。
📸 おすすめの撮影タイミング
| タイミング | 記録の目的 |
| 陣痛中のサポート | 産婦さんが頑張っている姿(横顔、手を握っている様子) |
| 赤ちゃんが生まれた直後 | 産声、助産師さんに抱き上げられた赤ちゃんの顔、感動の表情 |
| 赤ちゃんの計測中 | 新生児科医や助産師が計測・処置をしている様子(※スタッフが映り込まないよう注意) |
| 産婦さんと赤ちゃんの対面 | 産婦さんの胸元で抱っこする愛おしい瞬間、初めての授乳(カンガルーケア) |
📹 音声だけの記録もおすすめ
すべての瞬間を動画で残そうとすると、サポートがおろそかになります。
分娩台の床や天井などに向けてカメラを構え、映像ではなく音声だけを記録するのも有効です。産声、ママの頑張っている声、励ましの言葉など、臨場感ある音を記録できます。
**「撮影係」になるのではなく、「一番のサポーター」**として立ち会い、記録はあくまで補助的な役割と心得て行動しましょう。何よりも大切なのは、夫婦で命の誕生を共有するという貴重な体験です。